統計 二項分布から正規分布へ
グラフで見る
「二項分布の試行回数を大きくすると、正規分布に近づく」ことを、グラフ上で見てみる。
最初に、確率を固定して、試行回数、の場合の二項分布のグラフを表示する。
試行回数が大きくなるにつれて、グラフの山の頂点は右にシフトしつつ、高さは小さくなっていく。
- 試行回数
平均値
分散 - 試行回数
平均値
分散
次に、2つのグラフを比較しやすくするために、
横軸を、縦軸をとしてスケール調整する。
これで、グラフの山の頂点が一致した。グラフのずれは、分散が異なるためである。
更に、平均値が0、分散が1になるように、
横軸を とする。
これで、2つのグラフがほぼ重なることが確認できる。
試行回数が増えるにつれて、釣り鐘型の正規分布に近づくことがわかると思う。
数式で見る。
「二項分布の試行回数を大きくすると、正規分布に近づく」ことを、数式上で見てみる。
確率変数が二項分布に従うとすると、
となる確率、期待値、分散は、
式①のを取って、で1回微分、2回微分すると、
試行回数が非常に大きい場合、も同様に大きい場合を考えればよいとして次のようになる。
ならば、
ここで、1回微分、2回微分のの値を見てみると、(※ここでは式②③を用いている。)
上式で1回微分がで になっていることから、
は、で極大、つまり最大となることがわかる。
をのまわりでテイラー展開して、3次以上の微小量を無視すると、
これは、次式の正規分布の確率密度関数と同じ形をしているので、
試行回数が十分大きくなると、正規分布に近づくことがわかると思う。