統計 ポアソン分布
ポアソン分布とは
確率のベルヌーイ試行を回行うとき、「成功」する回数は二項分布に従う。
二項分布のパラメータは確率、試行回数回であるが、
この2つのパラメータの代わりに、1つのパラメータを用いて、
「成功」する回数を確率変数とする確率分布をポアソン分布という。
ここでは、パラメータを一定に保ったまま として、
「微小期間に確率のベルヌーイ試行を行う」ことを、回(無限回)連続して行っていると考えるとよい。
そうすると、ポアソン分布とは、
「ある期間における事象が起こる平均回数」をパラメータとして与えたとき、
実際にある期間に事象が起こる回数を確率変数とする確率分布であると、いえる。
例で考える
例があったほうが理解しやすいので、次のような例を考える。
「1時間に雷が3.6回落ちる天気のときに、実際に1時間の間に雷が回落ちる確率は」
ここで、ポアソン分布のパラメータはで、ある期間は1時間となっている。
この例は、次のように少しずつ解釈を変形できる。
「60分間に雷が3.6回落ちる天気のときに、実際に1時間の間に雷が回落ちる確率は」
「1分間に雷が0.06(=3.6/60)回落ちる天気のときに、実際に60分間の間に雷が回落ちる確率は」
「1分間に雷が1回落ちる確率が0.06である天気を、60回繰り返した場合に雷が回落ちる確率は」
「確率のベルヌーイ試行を回行うとき、成功する回数が回である確率は」
ここで、ポアソン分布のパラメータはとなる。
また、次のようにも解釈を変形できる。
「1秒間に雷が1回落ちる確率が0.001(=0.06/60)である天気を、3600回繰り返した場合に雷が回落ちる確率は」
「確率のベルヌーイ試行を回行うとき、成功する回数が回である確率は」
ここで、ポアソン分布のパラメータはとなる。
上記を見ると、パラメータ を一定に保ったまま としても、
同様に解釈を変形できることがわかると思う。
のポアソン分布の確率分布は次のようになるので、
実際に1時間の間に雷が3回落ちる確率は21%程度になる。
「1時間に雷が3.6回落ちる天気のときに、実際に1時間の間に雷が回落ちる確率は」
ここで、ポアソン分布のパラメータはで、ある期間は1時間となっている。
この例は、次のように少しずつ解釈を変形できる。
「60分間に雷が3.6回落ちる天気のときに、実際に1時間の間に雷が回落ちる確率は」
「1分間に雷が0.06(=3.6/60)回落ちる天気のときに、実際に60分間の間に雷が回落ちる確率は」
「1分間に雷が1回落ちる確率が0.06である天気を、60回繰り返した場合に雷が回落ちる確率は」
「確率のベルヌーイ試行を回行うとき、成功する回数が回である確率は」
ここで、ポアソン分布のパラメータはとなる。
また、次のようにも解釈を変形できる。
「1秒間に雷が1回落ちる確率が0.001(=0.06/60)である天気を、3600回繰り返した場合に雷が回落ちる確率は」
「確率のベルヌーイ試行を回行うとき、成功する回数が回である確率は」
ここで、ポアソン分布のパラメータはとなる。
上記を見ると、パラメータ を一定に保ったまま としても、
同様に解釈を変形できることがわかると思う。
のポアソン分布の確率分布は次のようになるので、
実際に1時間の間に雷が3回落ちる確率は21%程度になる。
ポアソン分布の確率
ポアソン分布の確率は、次のようになる。
これの導出は次の通り。
二項分布の確率の式に、を代入して、 とする。 ただし、最後の式変形で、次の①②③を用いた。
① ② ③
二項分布の確率の式に、を代入して、 とする。 ただし、最後の式変形で、次の①②③を用いた。
① ② ③
ポアソン分布の期待値・分散
ポアソン分布の期待値と、分散は、次のようになる。
これの導出は次の通り。
二項分布の期待値と、分散は、 である。
ここで、を一定に保ったまま、 としたものがポアソン分布なので、
を代入して、 としてみると、 と、ポアソン分布の期待値と、分散を求めることができる。
二項分布の期待値と、分散は、 である。
ここで、を一定に保ったまま、 としたものがポアソン分布なので、
を代入して、 としてみると、 と、ポアソン分布の期待値と、分散を求めることができる。
ポアソン分布の様子
ポアソン分布の確率分布は、パラメータを変化させて比較すると次のようになる。